海辺 対談
CONVERSATION ▼富士山を彼方に望めるのも千葉市の海遊びの醍醐味!(撮影:和田 清行)
魅力ある海には自然と人が集まる
斉藤 威さん× 鴻池 庸子さん× 西田 直海さん
魅力ある海には
自然と人が集まる
食、スポーツ、まちづくり。千葉市の海辺と関わる三人にそれぞれの視点でお話を伺いました!
鴻池庸子さん(以下鴻池さん) 2008年に設立した「海パスタ」の代表をしています。内陸県出身なので海に憧れがあり、千葉に初めて来た時は海が見えるだけで興奮(笑)。でもある時、千葉に来た母と海辺で食事をしようとしたら、千葉市には海を見ながら食事ができる施設がほとんどなかったんです。せっかく整備された美しい海岸があるのに…。検見川の浜を見ながら憩えるレストランがあれば、千葉県中の人に喜んでもらえる!と思い、施設づくりの活動を始めたんです。
斉藤威さん(以下斉藤さん) 私は、千葉県セーリング連盟副会長として競技の普及と競技力の向上に取り組んでいます。千葉市の海と出会ったのは今から50年前。進学した千葉大学でヨット部に入部したことがきっかけでした。館山や葉山での活動が主でしたが、当時は汚れていた千葉市の海も今は本当に綺麗になりましたね。
千葉県から全日本選手権や世界選手権の優勝者、そしてオリンピックメダリストまで輩出しましたが、関係者の努力に加えて千葉の海に育てられたからこそ、という思いがあります。
西田直海さん(以下西田さん) NPO法人「Drops」では、学生の視点で地域資源を掘り起こし、楽しく暮らせるまちづくりを目指しています。千葉市には豊かな海岸線や工場夜景など素晴らしい眺望という資源があるのですが、残念ながらそのまちに住む人たちが海を身近に感じる機会が少なくなっていると感じます。海にまつわる伝統文化や習慣といったかつての海の記憶は、稲毛あかり祭り「夜灯(よとぼし)❶」など価値ある活動として残っています。私たちは、千葉みなと~蘇我寒川地区のウォーターフロントエリアの魅力を発信する「ぽかぽかぽーとプロジェクト」を通して、千葉市の魅力を発信しています。
千葉市の海辺はバラエティ豊か!心地良い調和が魅力
斉藤さん 千葉市の海辺には家族で楽しめる公園やターミナルがあり、いなげの浜・検見川の浜・幕張の浜という日本一長い人工海浜❷が伸びていて、マリンスポーツも楽しめる。幕張新都心にはボールパークや商業エリアがあり、蘇我副都心にも楽しい街が広がっています。海と陸を満喫できる多様性があり、それらが心地よく調和しているんです。これは他の都市に負けない強みでしょうね。
鴻池さん 眺めるのが好きな私は、検見川の浜が一番ステキです! 真っ青な空と海が広がる中にたくさんのウィンドサーファーが出ると、まるで花が咲いたように綺麗なんです。活動の甲斐あって、昨年検見川の浜に「ザ・サーフ オーシャンテラス」が開業しましたが、オシャレな海辺の風景を眺めながら食事をすると料理がひときわ美味しく感じられます。
レストランができてから平日の検見川の浜も賑わうようになって嬉しい限りです。
西田さん 素晴らしい自然風景を一年中見られることも魅力ですよね。幕張の浜からいなげの浜にかけて沈む夕日の美しさは言葉になりません。東京湾越しに見られる富士山も本当に素敵ですよ! 晴れた日は事務所の屋上で「今日は富士山が綺麗だね」なんて話すんです。「ダイヤモンド富士❸」もさることながら、千葉市の海辺から見られる日常的な富士山の美しさこそ宝物だと感じます。
集まりたくなる仕掛けづくりで
海という庭をもっと身近に
西田さん 10年先も、「千葉市の海ってこんなに素敵だから一緒に行こう!」と他の地域の人たちを招きたくなる魅力をつくりたいですね。そのためにはハード面だけでなく、イベントなどのソフト面を充実させることが必要だと思います。私たちも海辺と人々の生活を結びつけることで「千葉市っていいな」と思ってもらえる仕組みをいっぱいつくり、小さな共感を広めていきたいと思います。
鴻池さん 私たちも現在検見川の浜で開催しているイベントを続けて、常に賑わう場所にしていくつもりです。そうすればヨットなどに挑戦する人も増えていくことでしょう。あとは買い物ができる場所をもっと増やしたいと思います。
「海が見える道の駅」なんて素敵じゃないですか。遊びに来た人がワクワクできる海辺にしたいですね!
斉藤さん
陸を家だとするならば、海は庭。浜や岸はテラスだと思います。ヨットやカヌーは庭に出るためのサンダルです。千葉市には素敵な庭があり、テラスがあり、サンダルがありますから、他の地域の方にも気軽にサンダルを履いてもらって、庭遊びを楽しんで欲しいですね。海は振り返る時間をくれます。地域のこと、街のこと、暮らしのこと、自分のこと、色々な気付きを得られます。悩みもスッキリ解消されるんですよ。“誰でも”“いつでも”“自由に”楽しめる千葉市の海を目指して私たちも活動をしていきたいですね。
(平成28年12月対談。役職は対談当時のもの)
用語解説
- ❶ 夜灯(よとぼし)
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毎年11月に京成稲毛駅近くのせんげん通りで行われる催し。約9000個の手作り灯ろうが灯され幻想的な光景が。かつての「夜とぼし漁」が由来。
- ❷ 人工海浜
- 「いなげの浜」は昭和51年に日本初の人工海浜として誕生。さらに「検見川の浜」「幕張の浜」を合わせた総延長4320mは日本一!
- ❸ ダイヤモンド富士
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海越しの富士山と夕日が重なる神秘の現象。
マメ知識
稲毛浅間神社の前、国道14号を挟んだ鳥居は、昔、海の中に建っていたそうです。遠浅の白い砂浜、海水浴場と潮干狩り。現在の「千葉市民ギャラリー・いなげ」で紹介されています。散策したら何か発見があるかも!?
※掲載している情報は2018年1月31日時点の内容です。
※千葉市都市アイデンティティ発信観光ガイド 『千葉市がもっと「好き♥」になる本』発行:千葉市 企画・千葉市観光プロモーモーション課 編集・制作:株式会社オニオン新聞社)より転載。
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