イベント情報

ミニトピックス展 疫病退散―コロナ禍の収束を祈って―@千葉県立中央博物館<7/7(火曜)~10/25(日曜)>

科学・医学が高度に発達した現代においてさえ、人はウイルスによる「疫病」に悩まされています。
歴史上流行を繰り返してきた疫病に対して、人は底知れぬ恐ろしさを感じ、祭りやまじないによって退散を祈ってきました。目に見えないものを形にし、表現することで、疫病に対する不安を克服してきた民俗的な対処法を、館蔵資料と写真によって紹介します。

1. 疫病除けの祭り
日本には疫病退散を起源とする祭りがたくさんあります。特に夏は疫病の流行が起きやすい時期のため、悪霊を鎮め厄神を祓う祭りが盛んに行なわれてきました。
・鵜原の八坂神社祭礼(勝浦市鵜原)
鵜原の八坂神社は、江戸時代に津島牛頭天王社(愛知県の津島神社)の分霊を祀ったと伝えられます。無病息災・悪疫退散を祈願する祭礼では、古式ゆかしい大名行列が神輿を先導します。
・山倉の鮭祭り(香取市山倉)
山倉大神は古くから疫病退散の御利益で知られ、多くの人びとからの信仰をあつめてきました。
例年12月の第一日曜日には鮭を神前に供える「初卯祭(はつうさい)」が行われ、この日は、鮭の切り身で作られた護符が参詣者に頒布されます。
・山倉大神護符
秘伝の製法で鮭を黒焼きし、粉にしたものが入っています。厄病や風邪に効く妙薬として知られています。

2. まじないの形
古来、治療の難しい疫病の原因は厄神や悪鬼にあるとされ、また厄神を祓う神の存在も具体的な形象としてイメージされてきました。
・疱瘡神の詫び証文
疱瘡神が疱瘡の流行を詫び、アバタ跡を残さずに軽く治すと約束して書いた「詫び証文」です。家の鴨居などに貼って疱瘡除けのお守りとしました。
・疱瘡神石塔(千葉市若葉区)
千葉市や八街市に、老婆像を刻んだ石塔を疱瘡神として祀る例が確認されています。
こちらの石塔は千葉市内に残るもの。額や目じりに深い皺が刻まれた老婆が両手で杖をつき、花をつけた樹木の下に佇む姿が刻まれています。花が散ることを疫病の流行になぞらえ、「花鎮め」を祈った心意の表現と考えられています。

開催日 2020年7月7日(火曜)~10月25日(日曜)10:00~16:30(入館は16:00まで)※毎週月曜休館(月曜が祝日の場合開館し、翌平日が休館)※7月7日(火曜)~9月6日(日曜)の期間は無休です
開催場所 千葉県立中央博物館・房総の歴史展示室前廊下
住所 千葉市中央区青葉町955‐2
交通 ・JR「千葉駅」東口よりバス、7番のりば「大学病院」または「大学病院・南矢作」行きで、「中央博物館」下車、徒歩約7分
・JR「蘇我駅」東口よりバス、2番のりば「千葉大学病院」行きで、「中央博物館」下車、徒歩約6分
・京成電鉄「千葉寺駅」から徒歩20分、またはバス、1番のりば「大学病院」行きで、「中央博物館」下車、徒歩約7分

※車の場合は、「青葉の森公園北口駐車場」(有料)が便利です
料金 一般300円 高校生・大学生150円 中学生以下・65歳以上の方・障害者手帳等をお持ちの方は無料 ※現在団体受付を中止しております
主催者 千葉県立中央博物館
お問合せ 千葉県立中央博物館 TEL:043-265-3111
URL http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1593912633152/index.html

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