【いちはら里山ファーム】よりどりみどりの里山体験!いちはら里山ファームで「農業の物語」に触れる【チバノサトの人々】
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ご家族で一丸となって農業のさまざまなジャンルに取り組んでいる。今回お話をお伺いしたのはご主人の山崎毅彦さん(右)
市原市の中部、馬立にある里山ファーム・山崎農園(以下里山ファーム)では、
アイガモ農法によるお米づくり、そしてタラの芽やマコモダケなどの山菜、イチゴやブルーベリーなどの果樹を栽培しています。
直売所や加工所だけでなく、カフェまでオープンし6次産業化で地産地消を目標とする里山ファームのご主人、山崎さんにお話を伺いました。
脱サラで始めた農園
農家の息子として生まれた山崎さん。幼いころから農業に触れる機会はあったといいますが、農業関係の学校に行くことなく、学生時代は専門的な勉強はされなかったそうです。
就職してサラリーマンの道を行くことになりますが、傍らで農業新聞を読んだりと、頭のどこかで農業のことを考える日々が続きました。
そんな中で、農業のいくつかの成功体験を見聞きしているうちに農業への可能性を感じ、後継者不足で地元の農地が荒廃するのを見て「よし、俺がやる」と脱サラ。
サラリーマンになってから15年が経った年のことでした。
「当時は周りに直売所もあまりなく、農業をやりたい人は生産をしても売る場所がなかった」と話す山崎さん。
今では直売所を開き、里山ファームで採れたものはもちろん、地域の生産者が育てる野菜や山菜も販売しています。取材当日も、地域の方が新鮮でおいしそうなスイカを持ってきてくれていました。
市原の多くの生産者と消費者の架け橋になっているようです。
加工品のおいしさもピカイチ
里山ファームでは、農園で採れたお米や食材を使ってだんごやジャムといった加工品も販売をしています。
だんごはアイガモ農法で育てた自家製のコシヒカリを粉にして作っており、保存料なども入っていないため、素材の美味しさをそのまま楽しめます。
賞味期限も当日限りとのことで、やはり美味しい物は新鮮なうちに、ですよね。
自家製のジャムに使用するブルーベリーやいちじくは農薬や化学肥料を通常の半分以下に抑え、厳しい審査を通過した「ちばエコ」に認定されていて、安心・安全に食べられます。
山崎さんが脱サラをして農業を本格的に始めたころ、いわゆる農薬の投与や土壌の消毒は当たり前になっていたようですが、「本当にそれで大丈夫なのか」と疑問を抱いたという山崎さん。
ご自身のお子さんが生まれたのもきっかけになり、安心・安全な作物作りに取り組むようになったといいます。
「その子どもも私の農業の知識不足を補うため、三重県伊賀市にある、有機栽培にとても力を入れている愛農学園高校に進学して有機栽培をみっちり勉強、その後は千葉大学に進み最先端の農業を学びました。今では私に直接指導をしてくれるほどです」とのこと。
また、昨年6月にはいちはら里山カフェもオープンしました(現在は閉店)。
自家製のお米を使ったピザやドリアは本当に絶品!お米以外の食材も、地元で採れた野菜などを使用しています。
また、近所のマキノ牧場と共同ではじめたジェラートのフレッシュミルクや里山ファームのフルーツを混ぜこんだ様々なジェラートも味わえ、好評です。
そして建物に使われている木は、なんとご主人自ら切り出してきたんだとか。
木材の温かみあふれる空間で、これぞ里山!というゆったりしたひと時を過ごすことができますよ。
テラス席でスッキリきれいな空気に包まれながらのご飯もオススメです。
「以前はジャングルみたいな場所でした(笑)」
取材に伺って驚いたのは、その農園の広さ。
アイガモ農法を行っている田んぼだけではなく、森の中をかきわけ入っていくと、そこにもまた山崎さんの農園が広がっていました。
「元は木々が生い茂っていてまるでジャングルでした(笑)」と山崎さん。
そうなんです、今でこそ写真のように建物が建ち、畑がありますが、昔は道もなく整備もされていない手付かずの林だったとのこと。
これもご自身で土地を開墾、整備していったそうで、本当に驚きですよね。
切り立った崖も迫力があり、まるで景勝地のよう。
敷地内はサツマイモやじゃがいもなど、きれいに整地された畑があるかと思えば、道中のなんでもない植物かと思っていたものが山椒だったり、釜焼きのピザを作れる場所があったりと、次から次へと色んなものが出てきます。
地元の幼稚園の子たちがじゃがいも堀りの体験にきたり、ピザ焼き体験ができたりと里山ならではの体験メニューもよりどりみどり。
季節によってはブルーベリーの摘み取り、ジャム作り、こんにゃく作り、みそ作りなどもできるそうです。
ここで1日、都会の喧騒を忘れて過ごせたらとってもリフレッシュできて楽しそう・・・と思っていると、「ここでオートキャンプやペンションをやってみたい」と話す山崎さん。
昼は里山体験、夜は開けたきれいな夜空の下でキャンプ宿泊なんて、これ以上の贅沢はありません。
ぜひとも実現すると良いな、と思います。
「もっと多くの人に農業を体験してほしい」
ただ作物を収穫するだけでなく、他にも多くの里山体験ができる里山ファーム。
「いろんなことをここで自分で体験してもらって、それらを通して農業のおもしろさを知ってもらえれば嬉しい」と話してくれました。
今では第6次産業、という言葉を耳にすることも増えてきましたが、生産、加工、そして販売まで行う里山ファームはまさしく第6次産業を体現されているところですよね。
「自分たちで作ったものを加工して売っているので、一連の物語があります。それが面白くてやっている部分もあるし、たとえばただ収穫体験をして終わり、ではなくてその物語にお客さんにも触れてもらえれば、もっともっと農業に関わりたいと思う人も増えると思います」
確かに、里山ファームには(農業、ちょっと面白そうかも・・・?やってみたい!)と思わせてくれるような仕掛けが満載です。
みなさんも、里山ファームで開放感のある贅沢な1日を過ごしてみてはいかがでしょうか?
山崎さん、ありがとうございました!
「いちはら里山ファーム」のアクセス、基本情報
いちはら里山ファーム(いちはらさとやまふぁーむ)
無料※いちご狩り等の体験は有料
火曜・水曜定休
千葉県市原市上原203